自作ゲーミングPCを組む上で重要なパーツのCPU。
CPUはデータの読み込み・演算などを高速で処理してPC全体の動作を管理することからPCの脳と例えられます。
Web閲覧やYoutubeを見るだけなら性能が低いCPUでも問題ありませんが、ゲームができるような負荷の高い処理を行うには高性能なCPUが必要。
実際購入する際にどれを買えば良いか迷う人も多いはず。
そこで本記事では自作ゲーミングPCにおすすめのCPUと表記の見方について紹介します。
先におすすめCPUを知りたい人は下記をチェックしてください。
CPU | 性能 | 特徴 |
Intel Core i5 13400F | 10コア16スレッド | ミドルスペックの定番 迷ったらコレ! |
Intel Core i7 13700K | 16コア24スレッド | ハイスペックGPUとの組み合わせに適合 |
Intel Core i9 13900KF | 24コア32スレッド | ゲームもクリエイティブも最高の環境を作りたい人向け |
AMD Ryzen7 7800X3D | 8コア16スレッド | ゲームに特化したゲーミングPCを組みたい人におすすめ |
AMD Ryzen5 4500 | 6コア12スレッド | とにかく安くゲーミングPCを組みたい人向け |
CPUはIntelとAMDの2大メーカー
CPUはIntelとAMDの2メーカーが製造しています。
ここではそれぞれの特徴について紹介します。
Intel CPUの特徴
Intel(インテル)は世界中でシェアされているメーカーです。
IntelのCPUはシングルコア性能が高く、また1つのコアが動作するための処理速度も速い特徴があります。
内臓GPUを搭載しているためグラボなしでも映像出力できます。
特にゲーミング目的なら性能が高いCoreブランドをおすすめします。
Intel CPUの主なブランドは以下のとおり。
CPUブランド | 特徴 | 価格 |
Core i9 | ハイエンドモデル クリエイティブ環境にも強いが価格も高い | 89,000円~ |
Core i7 | 高い性能を持つミドルハイモデル 高い性能でゲームしたい人向け | 59,980円~ |
Core i5 | スタンダードモデル ゲームも動画編集も幅広くしたい人向け | 41,800円~ |
Core i3 | エントリーモデル 安く自作したい人におすすめ | 25,378円~ |
その他にもIntelにはPentiumやCeleronといった低価格CPUもあります。
Web閲覧や動画視聴といった一般向けなため安く買えますが、ゲームを遊ぶ程性能は高くありません。
ゲーミング用途であればCore i5クラスがおすすめです。
AMDの特徴
AMDのCPUは4Kや3D映像といったグラフィック処理に対して優れた性能を保有。
PS4などのゲーム機でも採用されていることから、性能の高さが想定できます。
また、Intelと比べた際に同じような性能のCPUでも比較的安く買えるメリットも。
Intel Coreブランドに対してAMDはRyzenブランドがゲームに適しているCPUになります。
AMD CPUの主なブランドは以下のとおり。
CPUブランド | 特徴 | 価格 |
Ryzen9 | ハイエンドモデル クリエイティブ環境にも強い | 68,182円~ |
Ryzen7 | 高い性能を持つ 高い性能でゲームしたい人向け | 46,566円~ |
Ryzen5 | スタンダードモデル ゲームも動画編集も幅広くしたい人向け | 34,135円~ |
Ryzen3 | エントリーモデル 安く自作したい人におすすめ | 17,166円~ |
注意点としてAMDのCPUは内臓グラフィックが非搭載。
一部のモデルの覗いて単体では映像出力ができないため、グラボが必須となります。
他のブランドとしてAthlonがありますが、IntelでいうPentium/Celeronと同じ位置づけなため、一般用途であれば問題ありませんが、ゲームミングPCとしては性能不足。
コスパ良くCPUを選びたい人はRyzen5以上がおすすめです。
CPUの基礎知識
CPUの基礎知識について解説します。
コア数
コア数はCPUにおける核となる部分の数をさします。
コア数が多くなるほど作業できる量も増え、多くの作業ができます。
ゲーミングPCにおいては4コア・6コア・8コア・12コアあたりが多く採用。
コア数が増えると性能が上がりますが、価格も高くなりますので注意してください。
目安ですが、ゲーム目的なら6コア、配信まで考えている人は8コアはほしいところです。
性能が低いCPUだとGPUの性能を引き出せないので慎重に決めましょう!
スレッド数
スレッドとはCPUが1回に処理できる単位をさし、命令できる最大値を表す数値をスレッド数といいます。
例えば、6コア12スレッドのCPUであれば、6つのことを同時に考えて最大12の命令に対応できます。
6人の料理人が両手で調理するイメージですねw
通常1つのコアに対して1スレッドを処理できますが、Intel・AMDの両メーカーのCPUでは1つのコアで2つの処理ができる技術を保有。
これによりコアに対して2倍のスレッド数で処理ができます。
ゲーミングPCであれば6コア12スレッド、または8コア16スレッドあたりのCPUを目安にすると良いでしょう。
クロック周波数
CPUのクロック周波数は1秒間に処理できる命令の数のことで、Hz(ヘルツ)の単位で表記されます。
クロック周波数が高いほど処理できる速度が上がりますが、消費電力や発熱量も上昇。
さらに負荷や温度など条件によって周波数は変動するため、高い周波数のCPUまたは高負荷の作業を行う場合は簡易水冷クーラーを検討しましょう。
目安としては4Gz以上周波数が上がる作業を行う際は水冷クーラーをおすすめします。
キャッシュ
CPUのキャッシュとはCPUがメインメモリからデータを読み書きする際に頻繁に使われるものを一時的に保存する仕組みです。
キャッシュはレベルごとにL1・L2・L3と分かれていて、L1が最も高速ですが小さく、L2・L3は遅い代わりに容量が大きくなります。
キャッシュは大きいものほど高速で処理できますが、消費電力も比例。
難しくて良くわからないという人も多いと思いますが、CPUのグレードが上がれば必然的にキャッシュの容量も大きくなるので、高速なCPUを探している人はCore i5以上を選びましょう。
CPU型番の見方
CPUの型番表記の見方について解説します。
Intel CPUの場合
Intel Core i7 13700Kの場合で解説します。
これはIntel社のCore(ブランド)の グレードがi7と読みます。
iの後の数字が大きくなるほどグレードが上がります。
13700Kの13は世代を意味し(13世代)、700番(型番)のK(カテゴリ)となります。
型番に関しては数字が高いものほど性能が高いといういったイメージでOK。
カテゴリに関しては以下のとおり。
アルファベット | 例 | 特徴 |
無印(アルファベットなし) | Core i7 13700 | 通常版 |
K | Core i7 13700K | オーバークロックモデル 動作クロックの制御が可能 |
KS | Core i7 13700KS | Kよりも周波数が高い 最上位モデル |
F | Core i7 13700F | 内臓グラフィック非搭載モデル GPUが必須 |
KF | Coe i7 13700KF | オーバークロックモデル 内臓グラフィック非搭載 |
その他ノート用CPUに使われるHやUといったカテゴリもありますが、今回は自作PC向けという趣旨のため割愛します。
AMD CPUの場合
AMD Ryzen 7 7900Xの場合で解説します。
Intel Core ブランドと同じようにブランド→世代→型番→カテゴリの順でアルファベットと数字で構成。
ブランドはIntel同様に3・5・7・9があり、数字が大きくなるにつれ性能も高くなります。
ブランドの後の世代についてはIntelとは違い、7がつきますが第7世代という意味ではありません。
Ryzen2000シリーズのときにZEN2ではなく、ZEN+に、Ryzen4000シリーズはノート向けのZEN2といったようにナンバーがずれているためです。
番号と世代がずれて表記されていますが、高い数字の方が新しい世代を指します
世代の後の型番はIntel同様に高い数字の方が性能が高くなり、最後のアルファベットはカテゴリです。
カテゴリに関しては以下のとおり。
アルファベット | 例 | 特徴 |
X | Ryzen7 7900X | 通常版 |
無印(アルファベットなし) | Ryzen7 7900 | Xがつくモデルの廉価版 |
G | Ryzen7 5700G | グラフィック搭載モデル |
3D | Ryzen7 7800X3D | ゲームに特化したモデル (3Dキャッシュ搭載) |
AMD CPUの注意点は一部のモデルを除きGPUを内蔵していません。
そのため別途GPUは必要。
Gがつくモデルのみ内蔵グラフィックを搭載しています。
自作ゲーミングPCにおすすめのCPU5選
自作ゲーミングPCにおすすめのCPUを5つ紹介します。
CPU | 性能 | 特徴 |
Intel Core i5 13400F | 10コア16スレッド | ミドルスペックの定番 迷ったらコレ! |
Intel Core i7 13700K | 16コア24スレッド | ハイスペックGPUとの組み合わせに適合 |
Intel Core i9 13900KF | 24コア32スレッド | ゲームもクリエイティブも最高の環境を作りたい人向け |
AMD Ryzen7 7800X3D | 8コア16スレッド | ゲームに特化したゲーミングPCを組みたい人におすすめ |
AMD Ryzen5 4500 | 6コア12スレッド | とにかく安くゲーミングPCを組みたい人向け |
ミドルスペックの定番|Intel Core i5 13400F
コア数 | 16コア(Pコア:8 / Eコア:8) |
スレッド数 | 24 |
ソケット | LGA1700 |
基本周波数 | P)3.4GHz / E)2.4GHz |
最大周波数 | P)5.4GHz / E)4.2GHz |
TDP | 253W |
L3キャッシュ | 30MB |
対応メモリ | DDR5-4800,5200,5600 DDR4-3200 |
価格 | 63,980円 |
- 最新13世代Core i5
- ミドルクラスのCPU
- 価格と性能のバランスが丁度良い
Intel Core i5 13400FはミドルクラスのCPUです。
ハイブリッドアーキテクチャを採用しており、高速のPコア6つと省電力のEコア4つの合計10コア。
12世代と比べてマルチスレッド性能が向上しているため、ゲームや動画編集もできます。
カテゴリFのため内蔵グラフィックは搭載されていませんが、ゲーミング目的であればGPUをつけるため価格が安い13400Fがコスパが良いです。
トータル的にコスパが良いCPUです。
高い性能を求めるなら|Intel Core i7 13700K
コア数 | 16コア(Pコア:8 / Eコア:8) |
スレッド数 | 24 |
ソケット | LGA1700 |
基本周波数 | P)3.4GHz / E)2.4GHz |
最大周波数 | P)5.4GHz / E)4.2GHz |
TDP | 253W |
L3キャッシュ | 30MB |
対応メモリ | DDR5-4800,5200,5600 DDR4-3200 |
価格 | 63,980円 |
- 16コア24スレッドの高性能CPU
- ハイクラスのGPUも扱える性能
- 13世代Core i7シリーズの最上位モデル
Intel Core i7 13700KはハイクラスGPUも扱えるほど高性能なCPUです。
ベンチマークでは先代ハイエンドCPU Core i9 12900Kと比べて10%前後性能が高いため、ゲームやクリエイティブなど負荷が高い用途にも対応。
消費電力は235Wと一見高めに見えますが、先代のCore i7 12700Kと比較して約30%向上しているためワットパフォーマンスは悪くありません。
しかしながら高いTDPのため簡易水冷をおすすめします。
RTX4070やRTX4080などハイクラスのGPUが欲しい人におすすめのCPUです
ゲームもクリエイティブも最高の環境を作りたい|Intel Core i9 13900K
コア数 | 24コア(P-Cire:8 / E-Core16) |
スレッド数 | 32 |
ソケット | LGA1700 |
基本周波数 | P)3.0GHz、E)2.2GHz |
最大周波数 | P)5.4GHz、E)4.3GHz |
TDP | 253W |
キャッシュ | 36MB |
対応メモリ | DDR5-4800,5200,5600 DDR4-3200 |
価格 | 63,980円 |
- 最高のゲーム性能を構築できる
- 高いパフォーマンスを発揮
- ハイエンドGPUと組み合わせできる
Intel Coreブランドのハイエンドに位置するCore i9。
Core i9 13900Fは内蔵GPU非搭載ながら同ブランドの上位モデルCore i9 13900Kと同等の性能があります。
ハイエンドGPU RTX4090を選択したい人におすすめのCPUとなり、優れた性能はゲームやクリエイティブにおいても高いパフォーマンスを発揮。
その分消費電力は253Wと同世代の中で最も高いため、冷却性能が高いクーラーをおすすめします。
逆にRTX4060のようなミドルクラスのGPUに対しては、CPUの性能が余ってしまうためおすすめできません。
ハイスペックを目指す人におすすめのCPUです
ゲームに特化したCPU|AMD Ryzen7 7800X3D
コア数 | 8コア |
スレッド数 | 16スレッド |
ソケット | AM5 |
定格周波数 | 4.2GHz |
最大周波数 | 5.0GHz |
TDP | 65W |
キャッシュ | 120MB |
対応メモリ | DDR5-5200 |
価格 | 73,930円 |
- Zen4 CPUと3D V-Cacheを採用したゲームに特化したCPU
- DDR5メモリ対応
- ゲーミング性能においてはハイエンドと同等以上
AMD Ryzen7 7800X3DはRyzenブランドの中でもゲームに特化したCPUです。
マルチタスク性能では同世代のCPUに劣るものの、3D V-Cache技術によりゲーム性能を向上。
RyzenブランドのハイエンドRuzen9 7950X3Dと同等の性能があります。
とはいえマルチコア性能に劣るため、ゲーム以外の目的(動画編集・ゲーム配信など)では発熱制御ため性能に期待できません。
ゲーム目的であれば市場最高の適正を持ち、ワットパフォーマンスもダントツで高いためゲームのために自作ゲーミングPCを組みたい人におすすめです。
限定2日なのでお急ぎください!
- AMDが開発した高速化技術でキャッシュメモリを3D方向へ積層することで容量を増やす技術
- L3キャッシュが増えることでマルチスレッド性能が大きく向上してゲーム性能にも優れている
- コアとキャッシュメモリとの距離が短いためデータの高速化が可能になった
とにかく安いCPUを求めているなら|AMD Ryzen5 4500
コア数 | 6コア |
スレッド数 | 12スレッド |
ソケット | AM4 |
定格周波数 | 4.2GHz |
最大周波数 | 5.0GHz |
TDP | 65W |
キャッシュ | 8MB |
対応メモリ | DDR4-3200 |
価格 | 12,101円 |
- 6コア12スレッドが1万円前半で買える
- ミドルスペックPCに対応
- ゲームもクリエイティブもそこそこできる
AMD Ryzen5 4500は低価格CPUに位置しているCPUです。
1万円前後で購入できるため、価格を抑えてゲーミングPCを組みたい人におすすめ。
Ryzen5 3500の後継モデルとされ、多くのユーザーから愛用されています。
デメリットはL3キャッシュが少ないため、ゲーム性能に劣ること。
ゲームが目的ならランクを上げてRyzen5 5500以上はほしいところ。
エントリー向けで尚且つライトゲーマーの人におすすめのCPUです。
安さを求めている人におすすめです
自作ゲーミングPCのCPUによくある質問
自作ゲーミングPCのCPUについてよくある質問に答えます。
中古のCPUでも大丈夫?
中古のCPUは安く買えるメリットがありますが、初心者の人にはおすすめできません。
理由は中古の方が知識が必要だからです。
古いCPUに合うマザーボードやメモリなど、取り付けに必要な知識はもちろんですが、保証がないものが多いのもデメリット。
またメルカリやヤフオクなど個人間の売買においては写真で状態を判断しなければいけません。
初めて自作PCを組む人は新品で考えた方がリスクが少ないです。
中古が欲しい人は詳しい人に相談してみるのも有りですよ!
ゲーミングPCでIntelとAMDはどっちが良いの?
初めて自作PCにチャレンジする人はIntelのCoreブランドをおすすめします。
AMD Ryzenと比べた時にマルチスレッド性能が高く、ゲーム以外にも動画編集や実況配信などクリエイティブにも適応しているためです。
ゲームに特化したAMD Ryzen7 7800X3DなどAMDにもおすすめCPUは多数ありますが、初めての人はIntel CPUを選ぶ方が無難です。
基本好きなメーカーを買えば良いですが、良く調べてから買いましょう!
安いCPUはゲームに使えない?
IntelのCoreブランドやAMDのRyzenブランド以外にも一般用途向けのCPUが各メーカーにあります。
2023年6月現在において流通しているCPUであれば、ゲームをできないということはありませんが、CPUの使用率が高くなり負荷が増加。
寿命を削ることにもなりますので、ゲーム目的ならIntelならCoreブランド、AMDならRyzenブランドが無難でしょう。
安いものならAMD Ryzen5 4500あたりが1万円前後で買えますのでおすすめです。
内臓グラフィックの性能は?
大体のIntel CPUとAMD RyzenブランドのGがつくCPUには内蔵GPU(グラフィッ)を搭載しています。
映像出力が目的なので、内臓GPUだけでゲームは厳しいです。
ゲームを遊ぶならGPUは必要と考えましょう。
AMD RyzenブランドでGがつくCPUに関しては高い性能があり、Ryzen5 5600Gは内臓GPU最速といわれていて1080pにて30fps程度出せます。
とはいえ30fpsでは映像がカクついてしまうのでGPUは必須と考えたいところ。
ゲーム目的ならGPUを搭載しましょう
自作ゲーミングPCのCPUまとめ
本記事では自作ゲーミングPCにおすすめのCPUと表記について解説しました。
CPUは処理速度だけじゃなく、GPU(グラフィックボード)の性能を引きだすために大切なパーツです。
ゲーム目的なら最低Core i5クラスの性能はほしいところ。
ゲーム配信や画質もこだわりたい人はCore i7クラスを目安にしてください。
AMDで組みたい人はゲームに特化したRyzen7 7900X3Dがおすすめですよ!
自作ゲーミングPCの構成を考える時に参考にしてくださいね。
また、本記事では自作ゲーミングPCに必要なパーツの選び方を予算別に紹介していますので参考にしてください。